避妊・去勢手術と術後の注意点
食事
獣医さん
避妊・去勢手術のメリットは大きいです。一方で、手術後は肥満や尿路結石のリスクが高まることも。オーナーさんが日頃から愛犬の食事や運動に気をつけてあげてください。
なぜ避妊・去勢手術をするの?
病気の予防
避妊・去勢手術をする理由は、犬の望まない妊娠を防ぐためだけではありません。手術をすることは、性ホルモンに関連するさまざまな病気を予防する効果もあり、犬が健康で長生きすることにもつながります。
例えば、約半数が悪性で、命を落とすケースも多い「乳腺腫瘍」という病気は、初めての発情が来る前に避妊手術をすれば、99.5%ととても高い予防効果があることが研究結果で明らかになっています。手術をするタイミングが犬の年齢が若いときであるほど予防効果が高く2.5歳以降に手術を行っても乳腺腫瘍の予防効果はなくなってしまいます。
また、一般的には子犬のうちに手術をすることで体への負担がより軽くなるため、愛犬と長く一緒に暮らすためにも、飼い始めたらできるだけ早めに避妊・去勢について考える機会を作れるとよいでしょう。
<避妊・去勢手術で予防できる病気>
オス:精巣腫瘍、前立腺肥大など
メス:乳腺腫瘍、子宮蓄膿症など
性ホルモンに由来する問題行動
オス
- 大声で吠え続ける
- メスを求めて家出する
- 人や他の犬への攻撃性が増す
メス
- 年2~3回の発情期は気分が不安定
- 出血をする
- 巣作りをする
- 偽妊娠をする
- 怒りっぽく噛みやすくなる
手術について
手術の内容
- オス:去勢手術:睾丸を取り除く
- メス:避妊手術:卵巣または卵巣と子宮を取り除く
手術にかかる時間
- オス:30分程度
- メス:1時間程度
手術の時期
- 小型犬:生後6ヵ月前後から
- 大型犬:生後1年前後から
入院期間
- オス:日帰りも可能
- メス:最長1週間程度
避妊・去勢手術後の注意点は?
避妊・去勢手術後はホルモンバランスが変化し、運動量は減るのに食事量が増えます。手術前に比べて肥満のリスクが上がります。
肥満対応でできること
肥満対応でできること
- 脂肪や炭水化物量を抑えたフードを選ぶ
- 低カロリーのフードを選ぶ
- 下部尿路の健康維持に配慮したフードを選ぶ
- 給与量を守る
- きちんと運動させる