物を備えるときのポイント 物を備えるときのポイント

通常食や水、飼育用品はペット用として備蓄が必要な物と、人と共用できる物とで考えていきましょう。

防災とドッグフード

療法食についてはかかりつけの獣医師に相談し、同じ目的の複数のフード名を控えておきましょう。また、「これだったら暫定的に与えても大丈夫」というフードの種類をメモしておくことも大切です。
大規模災害の発生時にはいつも食べさせているフードが入手できるとは限らないからです。

ペットフードの支援が届くのは、人間向けの救援物資と比較し遅くなりがちです。ドッグフードが入手できない場合に、やむを得ず人の食べ物を与えることがあるかもしれません。このとき注意すべきことは、タマネギ、ネギ、ニラ、ニンニク、チョコレート、ブドウ、レーズンのように、人間は問題なく食べることができてもペットには与えてはならない食材があることです。ペットに与えてはいけない食材について覚えておきましょう。
栄養価は適切ではないとしても、とりあえず犬に健康被害が生じない食材を獣医師にヒアリングしたり自分で確認することで、愛犬の空腹をしのぐことができます。

<知っておくべき与えてはいけない食べ物>


避難生活では、急激な環境の変化から食欲不振になる犬もいます。
また日頃から食が細かったり、歳をとったりしている場合、食事ができないことが深刻な健康被害につながる可能性もあります。
通常のフードの他、嗜好性が高いおやつや、ジェル状・スープ状など食べやすい形状のフードを用意し、食欲を取り戻すきっかけにします。
また、高栄養のフードや補水機能をもったドリンクなども用意しておくといいでしょう。

ドライフードとウエットフードの特徴

ドライフード

良いところ

総合栄養食で栄養価が高い。

カロリー密度が高く、1袋で数日分の食事をまかなえることが多い。

例)ドライ:シュプレモ超小型犬用成犬用 360kcal/100g、ウエット:シュプレモカロリーケア成犬用 120kcal/100gを比較した場合、体重4kgの犬の1日の必要カロリー(270kcal)をまかなおうとすると、ドライフードなら75g、ウエットフードだと2+1/4トレイ=225g必要です。
同じ「1つ」で比べた場合、ドライフード1袋(800g)では約10日間分が賄えますが、ウエットフード1個(100g)では1日の必要カロリー分にも及びません。

1袋使い切るまではゴミが出ない。

出しっぱなしにしても傷みにくい。

ペット用のお皿がない環境でも、段ボールの上などで簡易的にあげやすい。(物資が不足している場合などは、床の上でもあげられる)

粒になっているので、おやつの代用としても使うことができる。

注意点

避難時の非日常の生活では、食欲が落ちて食べないことも。

1回使い切りのものは少ないので、袋をきちんと閉じないと臭いで周囲に迷惑をかけることも。

ウエットフード

良いところ

一回使い切りのものが多いので、ゴミが捨てやすく、衛生的。

香りが立つので非日常の環境でも食欲がわく

水分を多く含むので、水分補給にもつながる

ドライフードの上にかけることで食欲増進を図ることができる

注意点

総合栄養食ではないものが多いのでウエットだけだと栄養価が心配(ニュートロ™ のウエットフードは総合栄養食です。)

傷みやすいので、食事ごとに片付けが必須

パウチやトレイ、缶などから出してあげる必要があるので、お皿などが必要

それぞれの特徴を理解し、非常時も愛犬がしっかりと栄養を摂れるよう準備しておきましょう。

<おすすめドッグフード・おやつ>


そして、ドッグフードはローリングストック方式で備えてはいかがでしょうか。
常に一定量が自宅に保管されているように、「使ったら買い足す」という方法をとることで、賞味期限を気にする必要がなくなります。

備える量は、これまで3日分の備蓄を、と言われていましたが、広域で甚大な被害が生じた東日本大震災では、数カ月にわたり、一度もペット用品の支援がなかった避難所がありました。
ローリングストック方式で十分な量の物資を備蓄しておくことが、広域災害発生時には役立ちます。最近は、最低でも1カ月分を備えるように提唱されています。

備蓄品の保管場所にも工夫を

重いケージや大きくてかさばる物は被災後でも取り出せる場所に保管しましょう。
マンションの高層階に住んでいる場合、それらを持って階段を下りることが困難なのであれば、あらかじめマンション単位で備蓄用品庫を用意したり、品質に影響しない物資は、車の中に数日分を保管したりしておく方法もあります。

避難の際に必要な物は、常に手の届く範囲に備えておきましょう。

例えば、犬の避難に必要なリードやキャリーバッグは、身近な場所に置いておくことで、速やかに避難行動に移れます。

飼育に関するある調査*結果によると、屋内飼育の犬、鑑札を受けている犬、特別なドッグフードや投薬を要していた犬等、適正飼育されているペットは、避難ができないリスクが低かったことが報告されています。
平時から必要な用品を揃えているか、必要なケアができているかという「適正飼養」と「同行避難」の実践との関連性が示されている非常に興味深い報告もあります。

*「Human and Pet-related Risk Factors for Household Evacuation Failure During a Natural Disaster」(Sebastian E. Heath et al , Am. J. Epidemiol. (2001) 153 (7): 659-665. )

迷子対策もしっかりと。

迷子札、鑑札を装着し、首輪に連絡先を入れる他、マイクロチップを装着することで、犬の迷子対策を徹底します。
携帯電話のカメラ機能を活用し、愛犬の写真や飼い主と一緒に写っている写真を保存しておきましょう。万が一迷子になった時に役立ちます。災害発生時に画像を印刷し、ポスターを作ることが困難になることを考えると、ただちに捜索が開始できるように、あらかじめ迷子ポスターを作っておくこともお勧めします。迷子ポスターは定期的に情報を更新するなど、不備がないようにしましょう。

ペットの名前

ペットの全身写真

ペットの顔や模様、耳の形など特徴的な部位のアップ

ペットの種類や性別、年齢

ペットの特徴(できれば複数)

ペットがいなくなった日付と場所

飼い主の連絡先と避難先

何を備えるかだけでなく、どのくらい備えるかや、どこに備えるかも非常に重要です。有事の際に必要なものが準備できていないと慌てることのないよう日頃からしっかり準備をしておきましょう。

<愛犬の防災グッズチェックリスト>

監修:特定非営利活動法人ANICE

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