子猫の食事の与え方は?ミルクはいつまで?1歳までの子猫のごはんまとめ

子猫の食事の与え方は?ミルクはいつまで?1歳までの子猫のごはんまとめ

監修:たちかわ犬猫病院・獣医師 太刀川史郎先生

子ねこは人間の赤ちゃんより15倍も速く成長し、成猫になる1歳までに、体重が20~40倍にまで大きくなります。体が最も大きくなる大事な時期だからこそ、将来のことを考えて、栄養バランスが取れたおいしい食事を与えてあげたいですね。「授乳期」「離乳期」「子ねこ用フード期」と、大きく3つの時期ごとの食事方法や注意点をご紹介します。

まだまだ赤ちゃん!
授乳期(~生後4週齢)

まだまだ赤ちゃん!授乳期(~生後4週齢)

生後4週齢ごろまでの子ねこは、高脂肪・高タンパクで栄養たっぷりな母乳か子ねこ用ミルクだけで育てましょう。
お母さん猫がいる場合はなるべく母乳を。母乳は子ねこの体内に、細菌やウイルスなどから身を守り健やかな成長を促す免疫抗体を与えてくれます。とはいえ、生後早くにして譲り受けたり、迷い猫を拾ったりして、お母さん猫と一緒にいられない環境の場合は子ねこ用のミルクで代用ができるので安心してくださいね。

子ねこ用ミルクは、母乳と同じように、高脂肪・高タンパクで乳糖が調整されているので、子ねこがお腹を壊す心配がなく安心です。
子ねこ用ミルクは、子ねこ用の哺乳瓶に入れて35-38度程度にあたため、子ねこのペースで飲ませるようにしましょう。哺乳瓶を押すと、ミルクが口からあふれてむせたり気管に入ってしまうことがあります。
ミルクをあげるときに気をつけたいのは姿勢。母猫のお乳を飲むときのように、腹ばいで飲ませることが重要です。誤嚥する危険があるので、あおむけではあげないようにしましょう。

<ミルク量の目安>

生後1週まで

1回約4mlを、2~3時間おきに1日10回。

生後2週まで

1回約8mlを、3~4時間おきに1日8回。

生後3週まで

1回約14mlを、4~5時間おきに1日6回。

乳首をかじってミルクが吸えない、奥歯で噛もうとするなどの様子が見られたら、ミルク卒業のサイン。少しずつ離乳食へ切り替えをしてあげましょう。

食べ物への興味が芽生える
離乳期(生後4~8週齢)

食べ物への興味が芽生える、離乳期(生後4~8週齢)

乳歯が生えてくる生後4週齢頃から、子ねこはミルク以外の食べ物にも興味を持ち始めます。ミルクから少しずつ、キャットフードと水にシフトしていきましょう。

フード

これまでミルクしか知らなかった子ねこのために、飲み込みやすいやわらかいものを用意します。子ねこ用のウエットフードが便利です。ドライフードをお湯でふやかし、ふにゃふにゃにしたものもいいですね。まだ胃が小さいので、少量ずつ何回にも分けて与えましょう。
食べないときは、初めて見るごはんを少し怖がっているのかも。ミルクを振りかけてあげたり、手のひらからあげたりして、安心して食べられるようにしてあげましょう。

お水

水は新鮮で清潔なものを用意しましょう。ボウルに入れて、いつでも飲めるようにしておきます。なかなか水を飲まない子ねこもいますが、何カ所かに分けて置いたり、器の大きさや形を変えるなど、工夫すると飲むようになりますよ。

母乳やミルクの量は、少しずつ減らしていき、生後8週齢頃までに卒業できるようにしましょう。離乳食をしっかりと食べていて、順調に体重が増えていれば離乳は完了。いよいよ子ねこ用フードへ切り替えていきます。

生後8週齢頃からの
子ねこ用フード期

8週齢頃からの子ねこ用フード期

さまざまな味に慣れ出す8週齢頃、いよいよ子ねこ用フード期に突入します。
この頃になると固いものも食べられるようになります。とはいえ、今までミルクが主な食事だった子ねこは、急に上手くは食べられません。歯ごたえのあるドライフードは、始めのうちは水分の多いウエットフードと交互に与えたり、混ぜてみたり、併用して与えるようにしましょう。

総合栄養食

主食には、子ねこ用の「総合栄養食」を。体格や骨格がつくられる子ねこの時期に、必要な栄養を充分に摂ることは、丈夫な体と健康維持のためにとっても大切。たとえば視覚や骨の成長に必要なビタミン、代謝機能を高めるミネラル、体を構成するタンパク質。他にも、必須脂肪酸や炭水化物・繊維質など…。総合栄養食には、これらの欠かすことのできない成分が、バランス良く含まれています。

成長に合わせた分量を!
子ねこ用フードの与え方

<子ねこの成長カレンダー 早見表>

子ねこ用フード期は長く、成長に合わせて必要な分量は変わってきます。旺盛な食欲とは裏腹に、食べ物を消化する胃はまだ小さく、一度にたくさんの量を食べることができません。

  • 生後4ヵ月くらいまでは1日5~6回
  • 生後6ヵ月までは1日3~4回
  • 6ヵ月以降は1日2~3回

に分けて与えましょう。
子ねこの成長には個体差はありますが、生後10~12ヵ月くらいまでは子ねこ用フードをあげましょう。その後、徐々に成猫用フードへと切り替えましょう。

猫はあまり水を飲まない動物なので、ウエットフードを食べることで自然と水分摂取ができ、膀胱炎などのリスクに配慮することができると言われています。
このため、ドライフードだけでなくウエットフードも与えることをおすすめします。

子ねこの食事まとめ

子ねこは好奇心旺盛。逆に言うと飽きっぽい性格もありますので、いろんな味、触感の食事を与えたいですね。栄養バランスのとれたおいしい食事は、子ねこがこれから元気で健康に育つための第一歩。子ねこ期は体が最も大きくなる大切な時期だからこそ、将来のことを考えて、成長に合わせた食事選びをしてあげたいものですね。

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