毛ヅヤが悪い時はフードの見直しを

毛ヅヤが悪い時はフードの見直しを

皮膚と被毛を形成するタンパク質、必須脂肪酸やビタミンB群、亜鉛などの栄養素が張りのある皮膚やツヤツヤした被毛の維持につながるため、毎日の食事がとても大切になります。ブラッシングなどのお手入れ時に皮膚や被毛の状態に気を配ってケアしてあげてください。

フードが合っているかのバロメーターは皮膚・被毛にあらわれます

生まれたばかりの子犬の体重の約24%、成犬の約12%を占める皮膚は、犬が持つ最大の臓器です。また、犬の身体の中で起こっているさまざまなことが、皮膚の状態として表れるので、皮膚は「臓器の鏡」ともいわれています。
皮膚の表面に生えている被毛も、たくさんの感覚器官がある皮膚を保護したり、犬の体温を調節したりする重要な役割を持っていて、体内の栄養素が不足すれば毛ヅヤがなくなるなどの変化が起こります。

ですから、フードを変えたときなど「愛犬に合っているのかな?」と気になったら、まず皮膚や被毛の状態に注目してみることはよい方法の一つです。毎日チェックしてあげましょう。知っておきたいこととして、一番外側の表皮の細胞は、生まれ変わるまでに約22日かかります。今食べているフードについて知りたい場合、この期間は食べ続けなければ影響が見えてこないので、1日2日で結果を求めるのではなく、じっくり皮膚や被毛の様子を観察しましょう。

皮膚や被毛の維持に
かかわる栄養素

タンパク質

皮膚と被毛を形成する最も重要な栄養素です。アミノ酸のチロシン、シスチン、トリプトファンが不足すると、メラニン色素が作れず、皮膚と被毛の色が薄くなります。また、硫黄を含むアミノ酸のシステインやメチオニンは欠乏すると皮膚が乾燥し、被毛はツヤがなくなり、折れたり切れたりしやすくなります。

必須脂肪酸

必須脂肪酸

リノール酸などの皮膚や被毛の健康維持に重要なのが必須脂肪酸です。必須脂肪酸が欠乏すると、フケが出たり、毛ヅヤがなくなり、脱毛やかゆみを生じます。DHAなどのオメガ3脂肪酸は炎症を抑える作用があり、かゆみを和らげるのに役立ちます。必須脂肪酸は体内で生成できないため食事から摂取しなければなりません。

ビタミン

ビタミンAは、細胞の増殖と分化を調節します。過剰でも欠乏しても、表皮の角質化が進んだり、フケが増えたりします。ビタミンB群は、欠乏すると表皮の角化異常と脱毛が起こります。抗酸化作用のあるビタミンEが欠乏すると、フケの増加、細菌感染、脱毛などが起こります。ビタミンA、Eなどの脂溶性ビタミンは摂り過ぎると脂肪組織にたまって中毒を引き起こすこともあります。バランスよく過不足ないように摂取することが大切です。

ミネラル

ミネラルのうち、皮膚と被毛の健康にとくに重要なのは亜鉛です。リノール酸との相乗作用があり、同時に給与することで毛ヅヤが改善して、フケが減少することがウォルサム ペットケア サイエンス研究所の研究で発見されています。また、銅はメラニンの合成と角質細胞の分裂に関与しているので、不足すると皮膚、被毛の色が薄くなってしまいます。

*ウォルサム ペットケア サイエンス研究所とは、マース ジャパン リミテッドの信頼ある数々のペットフードを誕生させてきた、ペットケアとペット栄養学の世界的権威の研究機関です。詳しくはこちら

皮膚や被毛に影響を与える要因

皮膚や被毛に最も影響を与える要因として、栄養素の過不足が挙げられます。栄養素の欠乏はドッグフードの発達や総合栄養食の普及によってかなり発生率が低下していますが、皮膚の状態を悪くする要因が消えたわけではありません。栄養バランスを考慮しない手作りフードやサプリメント、また食事の保存状態の不備によっても皮膚の状態が悪くなることがあります。また、犬は多くの疾患で皮膚と被毛の状態が悪化することがあります。異常を感じたら早めに獣医師さんに診てもらってください。