いい獣医さんの見つけ方

いい獣医さんの見つけ方

愛犬のことをずっと診てくれているホームドクターがいると安心できます。また、何かあったとき、休日や夜間に駆け込める救急病院も見つけておきたいところ。頼れる獣医師や動物の情報は、日頃からアンテナを張って集めておきましょう。

ホームドクターを探そう

愛犬のことをずっと診てくれているホームドクターがいると安心です。何かあったときだけでなく、普段から愛犬の健康管理の相談にのってくれる獣医師さんがいると心強いものです。「様子がおかしい…」と感じたときにも気軽に連絡して、適切な指示をくれる関係を作っておけると理想的ですね。

ホームドクターを作ることはむずかしいことではありません。狂犬病の予防注射やフィラリアの薬、ワクチン接種など、獣医師さんに診てもらう機会は多くあります。最近ではトリミングのサービスなども併設している動物病院もありますから、「お手入れをしてもらった帰りに……」などと立ち寄ることもあるでしょう。普段から定期的に健康診断をお願いして、愛犬の状態を把握しておいてもらうと、病気にかかっても早期発見・早期治療に役立つでしょう。

休日、夜間に駆け込める救急病院も

  • 休日の診察に対応してくれる
  • 夜間でも処置をしてくれる
  • 自宅から近い

ホームドクターにどうしても診てもらえないケースを考え、これらの条件を満たした緊急で駆け込める動物病院を探しておきましょう。犬の体はいつ具合が悪くなるか予測不能です。小さな体の変化はとても早く、一刻一秒を争うこともあります。

知らない病院に連れて行くのは不安というオーナーさんは、予防注射やフィラリアの薬など、どこの病院でも同じように受けられる診察や治療をお願いしてみるといいでしょう。また、ホームドクターに相談してみるのもひとつの方法です。獣医師さん同士のネットワークがありますから、「当院までは時間がかかりますが、お家の近くに○○病院があります」と紹介してくれるかもしれません。パピーやシニア犬は体の抵抗力が弱く、ささいなことでも体調を崩すことがあります。異常に気づいてからネットで探すなんてことのないよう、事前に自宅周辺の夜間救急動物病院の情報をチェックしておきましょう。

いい獣医師さんの条件

獣医師さんとのお付き合いで大切なのは、お互いの信頼関係です。「この先生ならお任せしても大丈夫」と、オーナーさんが安心して愛犬を任せられる先生を見つけたいもの。獣医師さんもオーナーさんも性格はいろいろ、相性の問題もあるでしょう。下記は、一般的に言われる“いい獣医さん”の条件です。診察時のコミュニケーションから、自分と合う先生かどうかを判断するとよいでしょう。

きちんと説明してくれる

愛犬の病状や今後の治療方針について、納得するまで説明してくれるとオーナーさんの中にも病気に対する心の整理ができます。また、高額な治療費が予想される場合、その旨も事前に知らせてくれる獣医師さんなら、別の治療方針の可能性を模索したり、治療費の算段もつけやすくなります。

“できないこと”を告げてくれる

ほとんどの動物病院は、人間の病院のように「内科」「外科」などと専門科の看板を掲げていません。また診療対象の動物も多種多様。犬を診察できない病院はまずありませんが、それでも獣医師さんによって得意分野には違いがあります。「当院にはこの病気を詳しく診察する設備がありません。専門設備のある○○病院を紹介しましょう」と、できることとできないことを正確に話してもらえると、かえって獣医師さんへの信頼感は増すものです。

夜間、休日に対応してくれる

犬の病気はいつ症状があらわれるか分かりません。急病時も診療時間にかかわらず対応してもらえると安心です。ただし、個人病院はスタッフにも限りがあり対応できない場合もありえます。そんなときにも「診療時間以外は、こちらの救急病院で診察に対応します」といった紹介をしてもらえれば心強いもの。いい獣医師さんは、自分が対応できない場合でも飼い主さんを不安にしないネットワークを持っています。

診療の腕はもちろんのこと、愛犬の治療のために独自のネットワークをフルに活用してくれる獣医師さんは、さまざまな病気の治療の窓口として頼れる存在になってくれます。「こんな相談をしたら気を悪くするかも」と躊躇せず、犬の病気については、何でも相談してみるといいでしょう。獣医師さんの対応によって、自分との相性の良し悪しもチェックできますし、ホームドクターとして頼れる先生かどうかも判断できるのではないでしょうか。

いい獣医師さんはどうやって探す?

犬との暮らし同様、獣医師さんとも長いおつきあいになります。さまざまな方法で情報収集し、何でも相談できるいい先生を見つけましょう。

口コミは大事な情報源

近所で犬を飼っている人やドッグランで知り合ったオーナーさんに聞いてみましょう。通っている病院の名前だけでなく、どうしてその病院を選んだのかも教えてもらいましょう。先生の腕なのか、アクセスなのか、費用なのかなど、あなたが病院を選ぶ際の参考になります。また、ブリーダーやペットショップなど、プロの意見も聞くのもよいでしょう。

なるべく多くの人の意見を聞くこと

口コミにはその人の主観が入っています。同じ動物病院の先生でも「すごく頼りになる先生」と話す人もいれば、「とても信用できない」と厳しい意見をいう人もいます。それだけにできるだけ多くの意見を聞き、客観的に判断する必要があります。

インターネットの情報も活用

動物病院のホームページや個人のオーナーさんのブログやSNSなどから、地域の動物病院に関する情報を集めましょう。どこに病院があるのかを確認するだけでなく、ネット上の評判も重要な情報源となります。

何度か通って判断しよう

「この病院は評判がいい」「頼りになる先生らしい」と、実際に当たりをつけたら、少なくとも2、3回は通ってみるようにしましょう。初回の診察だけで本当に頼れる獣医師さんなのかどうかを見極めるのは難しいものです。予防注射や薬をお願いするだけでも数回は病院にいくチャンスがあります。そうした機会を上手に活用して、相性の良し悪し含め判断しましょう。

セカンドオピニオンも大切

「診察を受けてみたものの、説明がよく分からない」ということがあるかもしれません。割り切れない気分を自宅まで持ち帰らず、納得のいくまで獣医師さんに説明してもらいましょう。「あんまりしつこいと先生が気を悪くするかも」と思うかもしれませんが、診療にきちんと責任をもっている獣医師であれば対応してくれるはず。

最近では、セカンドオピニオンを受ける動物病院も増えています。最初の病院の診断に納得いかなければ、別の病院で聞いてみるといいでしょう。特に愛犬の病状が深刻な場合、オーナーさんが納得いくまで診療してもらうことが何より大事になります。

動物病院に行くときのポイント

診察を受けるときには

まず深呼吸

まず深呼吸

愛犬の具合が悪くなって診察を受ける場合には、オーナーさんがきちんと情報が伝える必要があります。まずは落ち着きましょう。そして、電話口での質問には的確に詳しく回答しましょう。

電話をする

  • 診察の依頼をする
    動物病院に電話をし、診察を受けたい旨を話します。初診なのか、再診なのかも伝えましょう。再診であれば病院側にカルテがあるので、獣医師さんは愛犬の情報を事前に把握することができます。

  • できるだけ正確に情報を伝える
    病気によってはほかの犬に感染する可能性もありますし、病院で感染症の犬に会うかもしれません。いまの愛犬の状態を説明し、病院の指示にしたがうようにします。

  • 必要なものを聞く
    愛犬の病気の診断に役立ちそうなものを確認します。たとえば、おしっこやうんち、吐いたものなどは、症状を判断するうえで重要な手がかりになります。ちなみに、目ヤニやよだれなども「病院に行くから」ときれいに拭く必要はありません。ありのままの状態の愛犬を診てもらうようにしましょう。

症状などをメモする

心の準備のないままに獣医師さんに質問されると、混乱してシドロモドロになってしまうことがあります。突然の事故などは別として、少し時間に余裕のある場合には、メモをとって自分の頭の中を整理しておくようにしましょう。家族にも確認しながら、「いつごろから変化に気づいたのか」「どんな症状なのか」「おしっこやうんちがいつもとどう違うのか」「最後の食事はいつか」などを書き出しておくとよいでしょう。食べさせているフード名や量、おしっこやうんちの回数なども、日頃からメモしておくと役立ちます。

服用している薬を持参する

いつもかかっている病院であればカルテがありますが、救急病院にかかった場合は、現在治療を受けている病気や服用している薬のことを獣医師さんは知りません。とくに薬にはさまざまな種類があり、似た名前でもまったく違う治療に利用される場合もあります。「たしか、こんな名前の薬で…」とあいまいな記憶で伝えるよりも、「これです」と現物を見せるほうが情報として正確です。

病院で

情報は詳しく正確に

情報は詳しく正確に

電話で伝えた内容をできるだけ詳しく、わかりやすく説明しましょう。言葉を話せない犬に代わって、症状を伝えられるのはオーナーさんしかいないのです。把握していることはきちんと獣医師さんに伝えましょう。

また、自分で原因を決めつけてしまい、「きっとあのときのことが原因だ」「食あたりなんですけど」と、先入観のまじった説明をしてはいけません。実際に診てみたら、原因はまったく違うところにあることもありますから、情報はできるだけ客観的に伝えることが大切です。

普段の健康状態は客観的に

「かわいそう」など主観的な思いではなく、愛犬のいつもの行動をできるだけ客観的に伝えましょう。その際に現在受けている治療、服用している薬について話します。持参した薬も確認してもらいましょう。

質問は最後にまとめて

心配のあまり、診察中に「先生、どうでしょうか」「治りますか?」などと声をかけると、獣医師さんは落ち着いて犬を診ることができません。気になる質問は犬の診察を終えてから、いまの状況はどうなのか、どのように治療するのか、完治までにどのくらいの期間がかかるのかなど、できるだけ具体的に質問するようにします。

治療費の確認

犬の治療は意外と費用がかかるものです。しかも、病院によって治療費にかなりの開きがあります。経済的なことが気になる場合、治療を開始する前に費用を確認しておくとよいでしょう。場合によっては、別の治療方法を選べるかもしれません。ペット保険に入っているなら、保険が使えるか確認しましょう。

病院でのマナー

むやみにほかのオーナーに話しかけない

むやみにほかのオーナーに話しかけない

動物病院で会うオーナーさんやペットたちは、基本的に具合が悪いものと思ったほうがよいでしょう。「どうしたんですか?」「かわいいですね」などと声をかけないほうが無難です。

ほかのペットに接触させない

あなたの愛犬が伝染性の病気にかかっているかもしれませんし、反対にほかの犬がそうかもしれません。むやみに接触させて、ほかの病気をうつした、うつされたということにならないように注意しましょう。通院の際はキャリーかケージを利用するのがベスト。どちらも苦手な犬でも、リードは必ずつけてくるのがマナーです。

犬のラクな環境を考えて

小型犬の場合、具合が悪くてかわいそうだからと抱きかかえた状態で病院へ来るオーナーさんもいるようです。でも、犬にしてみれば抱かれるよりも、横に寝ているほうが体勢的にラクなはず。キャリーやケージを利用したほうがいいでしょう。

また、車で連れていくなら、自分の愛犬の番が回ってくるまで車の中で待つこともできます。病気で弱っている犬には他の動物の声や温度の変化がつらいときもあります。車の中のほうが同じ環境をキープでき、ほかの犬との接触も防げます。

粗相してしまったら、必ず病院スタッフに

愛犬が病院のフロアでおしっこやうんちをしてしまったら、黙って処理せず、必ず病院スタッフにその旨伝えましょう。その場所を消毒をしてもらうようにするのがマナーです。