太りぎみの犬に起こるトラブルと理想的な体型の見極め方
健康/病気
愛犬を迎えたあと、かわいいからといって、ついついごはんを与えすぎてしまっている方はいませんか。
実は、ごはんを与えすぎることにより、大切な愛犬が体に健康問題を抱えてしまうリスクがあります。
この記事では、食べ過ぎてしまっている犬に起こりやすい健康問題や、犬の適切体重の見極め方について説明していきます。
太りぎみの犬は意外と多い
「そんなに太っているように見えないし、自分が飼っている犬は標準体型だよ」
「犬が喜ぶから、ちょっとくらいおやつをあげすぎたって大丈夫でしょ」
そう思っている方もいるかもしれません。
実は、動物病院に来院した犬の24%〜34%が、ややぽっちゃりぎみか肥満体重だ、という統計があるのです。
特に都市部では、犬の体重が標準よりも重い傾向があります。
室内で飼っていることが多い影響なのか、都市部で飼われている、およそ50%もの犬は、肥満体型になっています。
肥満の犬が抱えるリスク
人間にも当てはまることですが、犬も肥満になると、運動をさらにしなくなってしまう傾向があります。
そのため、「ごはんはたくさん食べるけど運動はあまりしない」という肥満の悪循環に陥ってしまいます。
寿命の変化
犬種によって、犬の平均寿命はさまざま。
しかし、同じ犬種でも体型の違いにより寿命にも変化がある、というデータが報告されています。
- 何でも好きなものを食べたグループ→平均寿命:11.2年、最長年齢:12.9年
- 25%の食事制限を行なったグループ→平均寿命:13.0年、最長年齢:14.0年
*ラブラドール・レトリバー48頭を2つのグループに分け、飼育を行ったデータの統計より(Kealy2002)
太っていると、寿命が短くなる可能性が上がるだけではありません。
太っている犬は、標準体重の犬と比べて健康面やほかのトラブルを抱えてしまう可能性が高いです。
では、太っている犬は体にどのようなリスクを抱えやすいのでしょうか。
その例をいくつか紹介します。
免疫力の低下
太っていることで、感染に対する抵抗力が弱まります。
骨や関節の異常
骨や関節に異常が起き、治療を行なっても元の状態には戻らない場合も多いです。
皮膚のトラブル
犬の皮膚には、常に存在している菌がいます。
健康な犬の皮膚では、何も悪さをせず、問題を起こさない菌が、免疫力の低下などの理由で皮膚の抵抗力が下ががったことによって、悪さをし、炎症や痒みをもたらしてしまうことがあります。
手術のときの麻酔リスク
病気を治療するため、手術が必要になる可能性もあります。
その際、犬が太っていたら、体重に伴って麻酔の量が多くなります。
すると、麻酔が体脂肪にたまることで、犬が麻酔からさめにくくなったり、手術の時間が長くかかることがあります。
また、緊急手術の場合、たとえ簡単な手術であっても、太っている犬にとっては生死に関わる大きな問題です。
肥満が原因で、命を失うリスクが高くなってしまいます。
これらのほかにも、耳や心臓などにトラブルを抱えてしまうこともあります。
肥満はただ体重が重い、という問題ではありません。
肥満になることで、体にトラブルを起こしやすくなってしまうのです。
犬の理想体型の見極めかた その1
犬が理想的な体型かどうかを見極めるため、「ボディコンディションスコア(BCS)」という体型の評価方法があります。
ボディコンディションスコア(BCS)は、犬の全身体型を上と横から見て、触ることによって理想的な体型かどうかを評価する方法です。
犬の理想体型の見極めかた その2
犬の体型を評価するには、「ウォルサムS.H.A.P.E(シェイプ)ガイド」という方法もあります。
ウォルサムS.H.A.P.E(シェイプ)ガイドは、診断テストのように、いくつかの質問にYES/NOで答えていく評価方法。
直接触った犬の体の様子や、動作に関する質問に答えていき、最後に7段階で犬の体型が評価されます。
それぞれのスコアに一言アドバイスが書かれているので、犬を理想体重に近づける上で役立てることができます。
もし、愛犬が太り気味や肥満だった場合は、理想的な体型にするためにも、これからご紹介する体重管理方法を試してみてくださいね。
まとめ:肥満気味の犬は健康のリスクがある
人間と同じように、犬も太りすぎは健康によくありません。
大好きな愛犬に長生きしてもらうためにも、まずは太り気味か肥満かどうかをチェックしてみましょう。
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